コラム 「とんぼの目」         Vol.6 2004.4.30

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【初めての事故】
ある日のことでした。A子さんは車を運転中に住宅街の見通しの悪い交差点で、出会い頭に他の車とぶつかってしまいました。

幸いスピードが出ていなかったため、自分も相手もケガはありませんでした。
ですが、A子さんはこのような事故を起こしたのは初めてで、気が動転してしまって、どうして良いのかわかりません。

 

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小さな事故でもその場での
口約束はいけません。

【恐怖にかられて】
相手の車の運転手、それに一緒に乗っていた助手席の男性2人が降りてきて大声で怒鳴りました。
「一体どこを見て運転しているんだ!車が近づいているのがわからなかったのか!!」

A子さんはすっかりパニックになってしまいました。「すいません。すいません。」と繰り返すばかりです。
すると、運転していた男性が「あー、こりゃ修理代10万はかかるなぁ。」と言いました。

それを聞いたA子さんは、「私、保険に入ってますから、それで全部の修理代はお支払いします。出来る限りのことはさせていただきますから。」といって、さらにお財布から1万円を出して相手に渡しました。
そして連絡先を聞いて後日連絡をするということで、その場をあとにしてしまいました。


さて、A子さんは本当にこれで良かったのでしょうか?


 

−絶対にしてはいけない口約束− 

相手や自分にケガもなく、車の損傷も少ない事故のなどでは、ついついA子さんのように簡単に口約束だけで済ませてしまう事があります。
しかし、そのような場合、あとあとでトラブルになってしまうケースが少なくありません。

事故を起こした時に、現場の当事者同士での口約束や、現金の受け渡しなどをしてしまうと、保険会社の行う事故の示談交渉に支障をきたし、さらには解決がスムースにいかなくなる事があるのです。

ですから、現場で一方的に謝罪をしたり、当事者同士の口約束やお金のやり取りをしてはいけないのです。


 

事故を起こしてしまった時の対応(物損事故)

では、A子さんはどのように対応するべきだったのでしょうか?

『110番通報』
出会い頭などでの軽微な接触事故車の場合でも、まずは警察に連絡を入れます。 このくらいの事故で110番なんて大袈裟な・・・・などと思わず、必ずお巡りさんを呼びましょう。
これはあとで保険会社が示談交渉をする際に必要な「事故証明」(交通安全センターで発行されます)という客観的な事実確認を得るためにも必要なことです。

『過失割合』
次に、両方の車両が動いている時の事故では、ほとんどの場合『過失割合』といって、両者に一定の割合で責任が裁定されます。
これは、保険会社が過去の判例などに基づいて決めるもので、当事者間や警察官が決めるものではありません。

A子さんのようなケースの場合、交差する道路の幅や一時停止の有無、どちらが優先道路か等によって、「過失割合」が決まりますが、少なくともA子さんが一方的に責任を負うというようなことは、あまりありません。

ですから、A子さんが一方的に謝り、その場で修理費を支払う口約束をし、さらに現金を渡してしまったようなケースでは、保険会社の交渉は難航してしまいます。
最悪の場合、A子さんは自腹で相手の修理費を補償しなくてはならない事態も考えられるのです。


 これでは保険に入っている意味がありませんね。


つまり、A子さんのようなケースの場合、相手に対しては、

『保険に加入していますから、今後の処理については保険代理店(保険会社)を通じて行わせていただきます。』

というのが、より望ましい対応なのです。


(注)ただし明らかに相手がゲガをしているような時には「大丈夫ですか?」という気遣いや、さらには救急車を呼ぶなどの措置は必要です。ここでは、あくまで軽微な物損事故のケースを例にしています。

・・・・と、いうことで。

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どんな軽微な事故でも必ず警察に連絡を入れること。

また、その場で「すべて修理をする」といった内容の約束をしたり、急いでいるから・ケガがないから・車の損傷が激しくないから等の理由で、その場で現金を支払って済まそうとすると大きなトラブルの元になります。

決してそのようなことはしないようにしましょう。